この記事の内容
この記事を読むと…
- 二脚の利益通貨損益と口座通貨への換算を分ける。
- 共有価格と実際のBid/Ask評価の差を計算する。
- 片脚の決済後に戻る方向リスクを説明する。
記事内で用語を調べる
ヘッジ(為替リスクの軽減) 相手通貨(クォート通貨・決済通貨) 有効証拠金(Equity) 想定元本(Notional) ストップロス テイクプロフィット(TP) トレード日誌同じ銘柄の買いに同量の売りを加えても、先の損失は消えません。共有価格で費用を無視するモデルなら価格感応度を相殺できますが、実際の売買価格、調達費、換算、証拠金と解除手順を分けて調べます。架空人物の動機を診断する記事ではありません。
ポジションのヘッジとは何か
ヘッジは対象リスクを減らすための操作です。同一銘柄の直接両建ては、その口座が独立した逆方向ポジションを認める場合に可能です。買い・売りを同量にしても、利益通貨と口座通貨の違いは残ります。
共有価格・費用なしでは二脚の価格感応度は相殺されます。しかしhedging口座では先の損失が二ポジション合計の含み損として残り得ます。売り追加そのものを損失確定と同一視せず、有効証拠金、解消費用と必要証拠金を契約別に確認します。
USD額が同じでもPLN評価は変わる
架空EUR/USD買い10000EURを1.1000で、売り10000EURを1.0980で建て、両方を同じPで評価。費用と他ポジションなしなら、10000×(P−1.1000)+10000×(1.0980−P)=−20USD。Pが消えても、口座通貨への換算は消えません。
横にスクロールすると図全体を確認できます。
MQL5のOrderCalcProfitは口座通貨の概算結果を返します。銘柄の利益通貨は別仕様です。この算術は実API呼出しの結果ではありません。
同量の反対ポジションを残した後に変わるもの
追加約定には取引費用があり、翌日へのスワップは脚ごとに支払・受取・ゼロの可能性があります。両脚が必ず毎晩マイナスとは言えません。二脚合計を同じ保有期間で比較します。
元のポジションを決済する操作はその価格感応度を除きます。一方両建て維持は二脚の約定・保有条件を残すため、常に同じ手順・同じ費用ではありません。必ず二倍の証拠金、必ずゼロの証拠金とも断定せず、両建て計算規則と解除後の必要額を確認します。
米国NFA規則、口座方式、日本の契約を分ける
米国NFA2-43(b)はForex Dealer Memberの顧客口座における相殺ポジション保有を認めず、原則FIFOで相殺します。顧客の依頼による同量取引の例外でも、その量の最古取引が対象です。米国のあらゆる金融商品で全ヘッジを禁じる規則ではありません。
MT5公式説明のnettingでは銘柄ごとに一つのポジションで、逆方向約定は減少・決済・反転になります。hedgingでは別の買い・売りが共存でき、両建て用証拠金設定もあります。方式は口座と業者が決めるもので、MT5という名前だけで権限は分かりません。
日本では金融庁登録と実際の契約主体・口座規則を調べます。個人の店頭FXにおける証拠金4%以上・最大25倍の枠は、両建ての許可や必要額ゼロを意味しません。外国免許だけで日本向け勧誘を認めるものでもありません。ロスカットや通常SLでも損失上限は保証されません。
何のリスクを、どの量だけ減らすのか
元の架空例はユーロ圏企業が3か月後に100000USDを支払う債務です。今USDを買えば保有現金が変わり、EURで一定の先渡しレートを契約すれば、その支払いの契約換算条件を定められます。資金調達、受渡し、相手方と契約条件は別に残り、負けた個人ポジションへの売り追加とは目的が違います。
別ペアでも、まず通貨別数量を合わせます。理想化した現物通貨脚で10000EURをEUR/USD1.10で買うと、+10000EUR・−11000USD。11000USDをUSD/CHF0.90で買う脚を合わせるとUSDは相殺され、+10000EUR・−9900CHFが残ります。EUR対CHFのリスクまで消えるわけではなく、CFDの実契約・証拠金をこの現金保有図と同一視しません。相関だけから数量や残余リスクを決めないでください。
損失の「凍結」とは何を固定したのか
別の元モデルはEUR/USD100000EURの買いを1.0900で建て、共有価格1.0850で評価する例。50pips下落で−500USDです。同量売りを1.0850で加えると、共通Pによる合計100000×(P−1.0900)+100000×(1.0850−P)は−500USDになります。
これは費用なしの価格モデルで、一週間の実損益を示しません。決済との比較には同じ期間のBid/Ask約定、手数料、調達費の受払と換算が必要です。一定の週間費用、必ず二重マイナススワップ、本人の判断回避という統計は提示しません。
相殺後も残る三つの変数
「同量だから固定」の前に、価格側・換算・残存数量を確認する。三つの比較を費用重複なく分ける。
小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。
- 幅0.0002の二脚評価
- −22USD=−3300JPY – 共有価格モデル−20USDから幅の費用を含む評価へ。
- 幅だけ0.0005へ拡大
- −25USD=−3750JPY – Bid固定。Ask上昇で売りの決済評価が悪化。
- 売り解除後のBid下落
- −3300→−6300JPY – 別の費用なし解除モデル。買い数量が残り、方向リスク復活。
実行前と解除前の確認
- 両脚の単位、現在のBid/Ask、費用と換算を合計します。方向数量が同じでも、費用・証拠金・口座通貨評価はゼロや一定とは限りません。
- 両方維持、両方決済、片方だけ決済を比較します。片方を閉じると残りの方向リスクが復活するため、許される決済操作とその後の余力を確認します。
- SLは想定出口条件です。SLとTPの違いを確認し、通常SLが最大損失保証とは考えません。
- 入口前に資金、予定損失率、数量単位、SL距離と換算を決めます。小さな数量は感応度を下げても、実損失が常に資金1%以内になる保証ではありません。
維持の目的と解除計画を記録に残し、単に両建てという名前だけで有益・無益と決めつけないことが出発点です。
円口座の追加演習:相場が動かなくても、幅と解除で結果は変わる
冒頭と同じ10000EURの買い1.1000・売り1.0980を仮定。今のBid1.0900・Ask1.0902で、買いをBid、売りをAskで決済評価すると−100+78=−22USD。共有価格の−20USDとの差−2USDは、幅0.0002×10000です。Bidを固定しAskだけ1.0905へ広がれば−100+75=−25USD。二脚の方向量が同じでも幅の影響は残ります。
同じ共有換算1USD150JPYなら−22USDは−3300JPY、−25USDは−3750JPY。160JPYへ変われば各−3520・−4000JPYです。実務の損益側別換算や決済時刻は契約に従います。さらに架空の同日スワップを買い−30JPY・売り+10JPY、二脚分手数料を各20JPYと仮定すると、最初の−3300から合計−3360JPY。スプレッドは既にBid/Askへ含めており、再度引きません。
解除も別問題です。幅を0.0002、換算を150で固定し、後のBid1.0950・Ask1.0952で売りだけを閉じると+28USD=4200JPYが実現。残る買いは−50USD=−7500JPYで合計−3300JPY。そこからBid1.0930へ下がれば買い−70USD=−10500JPYとなり、実現分込み−6300JPYです。追加−3000JPYは売り解除後に復活した10000EUR買いの値動きです。この解除モデルでは手数料・調達費を別途ゼロとし、前の費用モデルを混ぜません。
理解度を確認
練習の目安: 約2分.
答えと解説を見る
−20×4.00=−80、−20×4.50=−90。変化の原因はEUR/USD価格でなくPLN換算です。
よくある質問
同じペアの両建てで損失を防げますか。
米国の規則は全ヘッジ禁止ですか。
ヘッジが役立つのはどんなときですか。
両建て以外なら損失上限は保証されますか。
出典と検証
- www.nfa.futures.org
内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。
- www.metatrader5.com
内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。
- www.mql5.com
内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。
- www.fsa.go.jp
内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。
計算例には前提条件を明記しています。現在の市場データや提供会社の取引条件の代わりにはなりません。
