テクニカル分析

フィボナッチ投影:三点・数量配分・刻みで結果を確認

二点式と三点式、上下方向、基準点±2 pipsの感度を比較。日本円の架空例で半分決済が数量刻みに合わない場合と価格丸めの差を確かめます。

投影の基準点と水平線を表す編集用画像。実際の相場や到達実績ではありません。
線の割合と約定する数量を分けます。

レバレッジを使うFXやCFDでは、短時間で大きな損失が生じることがあります。内容は学習用であり、個別の投資助言ではありません。

この記事の内容

この記事を読むと…

  • 二点式と三点式の起点を明示し上下の投影を計算する。
  • 基準点の選定幅と到達確率を混同せず認識時刻を残す。
  • 各約定価格・数量と価格刻みから部分決済結果を計算する。

記事内で用語を調べる

テイクプロフィット(TP) ポジションサイズ(建玉数量) 実現損益 トレーリングストップ

フィボナッチ・エクステンションは、選んだ値幅の倍数を指定した起点から投影します。決済シナリオの比較には使えますが、到達確率・時刻は式から出ません。同じ161.8%の表示でもゼロの位置が違えば価格は異なります。

リトレースメントと投影を分ける

フィボナッチ・リトレースメントは前の値動きに対する戻りを測り、投影はその値幅の倍数を起点から置きます。描線だけで売買は決まりません。三点式では100%未満でも前の極値を超え得るため、名称ではなく実価格と基準点を比べます。

MT5のFibonacci Expansionは二つの続く波を使い、第一波から長さ、第二波の終点から投影の起点を取ります。TradingViewのTrend-Based Fib Extensionも開始・終了・戻り終点の三点。MT5の二点Retracementにも100%超の線があります。点の数、ゼロと100%の価格、方向を記録し、Reverseの反転設定も確認します。

A・B・Cをどのように測るか

本稿の線形・反転なしの模型ではAを第一波開始、Bを終了、Cを後の戻り終点とし、符号付きΔ=B−A、T(k)=C+k(B−A)です。上昇は正、下降は負。選んだ三点でBの突破前から計算でき、突破は別の戦略条件です。

k=1.618はAB長の161.8%をCから投影する意味で、価格全体や口座が161.8%増える意味ではありません。1.618は黄金比、1.272はその平方根の丸め近似です。1、2や任意の倍率も設定できます。表示だけではエッジや観測した到達頻度は分かりません。

基準点と設定を一緒に保存
線形模型 T(k)=C+k(B−A)、値幅は符号付き。
二点式との比較 本稿のE(k)=A+k(B−A)はゼロがA、100%がB。
表示の反転 別の向きではBの先に負の表示もあり、実価格を比較。
対数の設定 TradingViewは有効時に対数ベースで計算し、下の線形例と異なる。

161.8%到達と全建玉の利益率は別

AB=10をC=106から投影。各水準で何割を閉じるかは別の決済ルールで決めます。

横へスクロールして図全体を確認 →

横にスクロールすると図全体を確認できます。

投影倍率と部分決済の結果を分ける架空の線形A100、B110、C106でT(1)116、T(1.618)122.18。106で任意1単位を建て両水準で理想約定を仮定。全量122.18なら16.18結果単位、半分116と半分122.18なら5+8.09=13.09。将来経路や有効性の仮定はありません。同じ線、二つの数量配分100110A:100B:110C:106100%:116161.8%:122.18全量:1 ×16.18=16.18半分ずつ:5+8.09=13.09金額ではなく任意の結果単位
仮定:架空の線形商品で1単位の建玉は価格1点当たり任意の結果1単位。両目標の約定を仮定し、費用、滑り、資金調達、再エントリーを除きます。リスクや実効性の比較ではありません。T(k)=106+k×10。50/50配分は別の仮定です。 TradingView公式:三つの投影基準点
最後の線の割合でなく、各約定価格と建玉の比率で合計が決まります。

上下二方向の計算例

独立した架空EUR/USD例です。1 pip=0.0001 USD/EUR。上昇はA1.08000、B1.09000、C1.08500、下降はA1.10000、B1.09000、C1.09500。どちらも|AB|=0.01000=100 pips。反転なしの線形計算で、過去・現在の実相場ではありません。

同じ値幅を逆方向に投影する三点模型
k上昇:1.08500 + k × 0.01000下降:1.09500 − k × 0.01000
01.085001.09500
0.6181.091181.08882
11.095001.08500
1.2721.097721.08228
1.6181.101181.07882
21.105001.07500
2.6181.111181.06882

上昇T(1.272)=1.09772は、Cに127ではなく正確に127.2 pips加えます。下降T(1.618)=1.07882。注文を商品の価格刻みに合わせるまで精度を保ちます。上昇T(0.618)はBの11.8 pips上、T(0.382)=1.08882は11.8 pips下。表示される投影線がすべて第一波全体を超えるとは限りません。

同じ上昇A/Bで二点式E(1.618)=1.09618、三点式T(1.618)=1.10118。共通kなら差は常にC−A=50 pipsです。Cを1.08600へ移すと三点式は全線10 pips上がり、二点式Eは不変です。幾何学であって強いトレンドの証拠ではありません。

利確とストップ移動は別の設計

架空の部分決済で一部を近い線、残りを遠い線で閉じるなら、各実約定価格と数量で合計します。残りのストップを建値へ移しても、費用やスリッページによる損失は残ります。投影価格も約定保証ではありません。

標準的なMT5店頭FXでは買い建玉の利確条件はBid、売りはAskで確認し、取引所商品は発動規則が異なり得ます。別の価格系列の接触で約定は証明できません。決済戦略で数量、部分決済、費用を別に定義します。図の両水準約定も、計算模型が明示的に仮定しただけです。

基準点の不確かさと重なりの意味

以前の抵抗帯や移動平均の近くを追加条件にはできますが、同じ価格から作る観測も多くあります。重なりだけで独立した根拠、高確率、実現可能な目標は証明されません。結果を見る前に許容幅と基準点を決めます。

独自の感度模型T=C+k(B−A)で各点を最大±ε変えられるとします。正のkで最大変化幅はε(1+2k)。Cの重み1、Bはk、Aは−kで、上側極値はC/Bを上げAを下げます。各±2 pipsならk1で±6 pips、基準1.09500に対し1.09440〜1.09560。k1.618で±8.472 pips、基準1.10118に対し1.1003328〜1.1020272。指定した移動の決定論的な限界で、相場予測、確率誤差、信頼区間ではありません。

細い線が広い基準点の選定幅を隠すことがあります。それより狭い接触判定には特に明確な点の定義が必要です。ハーモニック構成とテクニカル分析の基礎で関連手法を整理します。同じ図への追加だけで独立検証された利益の出口にはなりません。

要点:投影は選んだ点による価格です。到達と実際の決済約定は別の出来事です。

基準点を認識できた時刻も保存する

配信元、時間足、ヒゲか終値か、Cの確定規則を記録します。安値の認識に後の二本が必要なら、その二本の後に初めて投影が使えます。完成した安値をそれ以前のバックテストへ描けば未来の情報を使います。線が近い・遠いだけで到達確率は出ません。

新しい安値でCを移すのは改訂シナリオです。旧版と観測時刻を残し、後の点で昔の判断を評価しません。未使用データで定義済み計画を試し、未到達・未約定と費用も含めます。建値ストップでも執行・費用リスクは残ります。

次の検証で行う五項目

  1. Cだけを変更:A1.08000、B1.09000を固定しC1.08300なら、三点100%は1.09300、161.8%は1.09918で両方20 pips下がります。二点E(1.618)は1.09618のままです。
  2. 計算規約:ゼロ・100%価格、Reverse、線形か対数か、正確な三点を記録し、割合表示だけを比べません。
  3. 認識時刻:採用規則でいつCが使えたかを記録し、後の改訂をすべて残します。
  4. 執行を分離:配分、約定仮定、価格側、費用を定義します。50/50は任意で、フィボナッチから導かれません。
  5. 全標本を保存:未到達、取消、未約定も含めます。選んだ数十例だけで万能に機能する線は決められません。

追加例:数量刻みで半分ずつ閉じられない場合

別の架空USD/JPY線形模型をA150.00、B151.00、C150.40円とします。T(1)151.40、T(1.618)152.018。150.40で3,000 USDを買い、費用なし・理想約定を仮定します。これは実レートや一般的な取引単位ではありません。

仮に決済数量刻みを1,000 USDと定めると、半分1,500 USDはこの模型では指定できません。理想の半分ずつなら1,500×1.00+1,500×1.618=3,927円ですが、最初1,000・残り2,000なら1,000+3,236=4,236円。違い309円は線が変わったからでなく配分が変わったためです。

さらにこの模型だけ価格刻みを0.01円、四捨五入で目標152.02円に適合させると、残り2,000 USDの結果は3,240円、合計4,240円となり4円変わります。注文の有効性・約定は別確認です。実商品の最小数量・刻み・部分決済・残数量条件を確認し、端数を黙って変更しません。

同じ投影でも数量刻みで配分が変わる架空USD/JPY、3,000 USDを150.40で購入。両価格で理想約定・費用なし。仮定に基づく計算計算上の半分ずつ1,500/1,500 USD →3,927円刻みに合わせた別配分1,000/2,000 USD →4,236円価格も0.01円へ丸める模型第二目標152.02 →合計4,240円
同じ投影でも数量刻みで配分が変わる. 架空USD/JPY、3,000 USDを150.40で購入。両価格で理想約定・費用なし。

表示の50%配分と実行可能な数量は同じとは限りません。商品固有の刻み・残数量条件を確認し、修正後の価格と数量で再計算します。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

計算上の半分ずつ
1,500/1,500 USD → 3,927円 – 模型の数量刻み1,000 USDに合わない。
刻みに合わせた別配分
1,000/2,000 USD → 4,236円 – 151.40/152.018で約定すると仮定。309円差は配分の差。
価格も0.01円へ丸める模型
第二目標152.02 → 合計4,240円 – 残り2,000 USDに0.002円差、追加4円。

理解度を確認

練習の目安: 約2分.

106で建てた1単位の半分を116、半分を122.18で決済。費用なしの結果は?

答えと解説を見る

正解です。先の半分が5、後の半分が8.09で、各約定数量を含めて合計します。

よくある質問

リトレースメントと投影の違いは。
戻りの比率を測るか、選んだ起点から値幅の倍数を置くかです。MT5二点Retracementにも100%超があり、ExpansionやTradingViewのTrend-Based Extensionは三点を使います。名称だけでなくゼロ・100%の価格と実際の線を比べます。
A・B・Cはどう計算に使いますか。
線形三点模型でAが開始、Bが終了、Cが戻り終点、T=C+k(B−A)。値幅の符号で下降にも対応します。B突破は別条件。二点E=A+k(B−A)は起点が違い、反転や対数設定も区別します。
どの倍率が最も重要ですか。
万能の最良水準や到達頻度は式から出ません。上昇100 pips例では127.2%が1.09772、161.8%が1.10118で、約定や口座利益率の保証ではありません。正確な点、全標本、費用を含む決済規則を検証します。
投影線へ必ず到達・約定しますか。
どちらも保証しません。価格系列と発動条件、約定、数量、料金、資金調達を分けます。建値ストップでも純損失はあり得ます。図の全量16.18と半分ずつ13.09は費用なし両目標約定という仮定で、実効性やリスクの比較ではありません。

出典と検証

  1. www.metatrader5.com

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  2. www.metatrader5.com

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  3. www.tradingview.com

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  4. www.metatrader5.com

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

計算例には前提条件を明記しています。現在の市場データや提供会社の取引条件の代わりにはなりません。

著者について

Jarosław Wasińskiはポーランドの編集者・市場アナリストです。2004年にMyBank.plを設立し、2007年から外国為替市場の分析に携わっています。