約定数量でスリッページを測る

架空のEUR/USD買いIOC。依頼25,000 EUR、参照Ask 1.10000、約定10,000 EURの価格1.10010、残り15,000 EURは取消しです。1pip=0.0001、手数料等を除く線形モデルです。

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約定数量でスリッページを測る架空のIOC買い注文25,000 EURのうち10,000 EURが参照Ask1.10000に対し1.10010で約定。残り15,000 EURは取消し。約定分は不利な1pip、価格影響は−1 USD。IOC注文:25,000 EUR参照Ask:1.1000010,000 EUR約定15,000 EUR取消し約定:1.10010約定分:−1 pip価格影響:−1 USD分母:約定10,000 EUR取消し分に約定価格はない25,000 EURで割ると−0.4 pipに薄まる
架空のIOC買い注文25,000 EURのうち10,000 EURが参照Ask1.10000に対し1.10010で約定。残り15,000 EURは取消し。約定分は不利な1pip、価格影響は−1 USD。

改善を正、不利を負で表すと、価格影響は(1.10000−1.10010)×10,000=−1 USD。約定数量のpip価値は1 USDなので−1pipです。依頼全体の2.5 USD/pipで割ると−0.4pipに薄まります。未約定15,000 EURは「スリッページ0」ではなく、約定価格がありません。

スリッページとは何か、その正体

スリッページは、定義した参照価格と実際の約定価格の差です。決済日の違いではありません。EUR/USDの参照Ask 1.0850に対して買い1.0853なら不利な3pips。買いは参照Ask、売りは参照Bidを用い、時刻・時間帯・数量も保存します。買いの改善値は(参照Ask−約定)/pip幅、売りは(約定−参照Bid)/pip幅。買い持ちの決済は売りです。

一つの注文依頼と一つの約定は同義ではありません。複数価格で部分約定したり、一部または全部が約定しなかったりします。IOCは許可された執行条件の範囲で可能な数量を約定し、残りを取り消す方式です。注文種類、執行モード、会社の方針を確認します。平常時・指標時に共通の「正常な何pips」という範囲は置けません。

スリッページとスプレッドは別物

BidとAskの差は同じ時点の提示価格差です。提示Bid 1.0849/Ask 1.0850のスプレッドは1pip。買いが1.0854で約定すれば、その参照Askに対するスリッページは不利な4pipsです。直後に全数量を、変わらないBid 1.0849で決済できた場合に限り価格差損失は合計5pips。10,000 EURなら5 USDです。実際の売買価格から損益を計算した後に、同じスプレッドとスリッページを再び差し引かないでください。

スリッページが最も大きくなる場面

雇用統計等の発表、週末後の再開、市場の厚みが乏しい場面では、提示の変化と利用可能数量を確認します。米BLSの雇用統計は一般に米東部08:30ですが、必ずその日付の公式予定を確認します。「毎月必ず第一金曜」「日本時間は年中同じ」とは置きません。発注数量・実際の流動性・処理時間・方針が重要で、少額注文すべてが板を歩くわけでも、23〜01時が万人共通の不利な時間でもありません。

週末をまたぐ価格差では通常の逆指値が指定水準を越えて約定し得ます。一方、指値には未約定という別の結果があります。すべての予約注文が同じように飛び越えて約定するとは限りません。

スリッページが損切りを直撃する仕組み

架空のEUR/USD買い100,000 EUR、Askの建値1.0830、損切り1.0800、1pip価値10 USD。指定水準で全決済できれば30pips=300 USDの価格損失です。しかし窓を開けて実際の全決済Bidが1.0780なら50pips=500 USD。差の20pips=200 USDが指定損切りに対する不利なずれです。300と500は代替結果で、合算しません。手数料、資金調達費、口座通貨への換算は別です。

悪い約定だけでは意図的なストップ狙いを証明できません。通常の逆指値は損失上限を保証しません。保証付きストップを提供する会社でも、対象、受理水準、追加料金等の契約条件があります。ストップ指値は発動後に指値条件を満たさず、ポジションが残る可能性があります。保有期間だけで保証の価値を断定しません。

スリッページが味方になるとき

買いの参照Ask 1.0850に対して1.0848なら改善は+2pipsです。ただしECNという名称だけで有利・不利の頻度が等しい、損益が相殺されるとは言えません。選別した少数の約定だけから不正も認定できません。

指値買いは受理された限度価格以下、指値売りは以上という境界を、実際に約定した場合に検討します。古い提示価格からの改善とは別の比較です。指値は部分約定・未約定となり得るので、約定済みだけの有利さを戦略全体の優位性にしないでください。

実践でスリッページを抑える方法

  1. 参照Bid/Ask、時刻と時間帯、売買方向、注文種類、依頼数量と全約定を記録します。口座履歴に発注直前の提示がなければ欠損とし、記憶から補いません。
  2. 一依頼内では数量加重平均価格を計算します。複数依頼を集計する際も、件数加重か数量加重かを明記します。有利・不利、部分約定・未約定を含め、方向・数量・種類をそろえて比較します。
  3. 残存ポジションを応答後に確認します。指値の価格制約と通常ストップの発動条件は別。再提示された価格も、受け入れて約定するまで約定実績ではありません。
  4. 実際の公式予定を日付と名前付き時間帯で管理します。市場時間の重なりは最小スリッページを保証しません。ECN等の呼称でなく、法人・契約・提示・約定・未約定を確認します。CFD損失口座率を比較する場合も現在の対象法人の警告を使い、古い共通範囲を流用しません。

円建てで確認:二つの約定を単純平均すると見誤る

独立した架空USD/JPYモデルです。買い持ち12,000 USDをIOC売りで閉じる依頼、参照Bid 150.000円。2,000 USDが149.990円、8,000 USDが149.970円で約定し、残り2,000 USDの注文は取消し。他の注文や費用はなく、1pip=0.01円とします。

計算法結果解釈
数量加重平均149.974円(2,000×149.990+8,000×149.970)/10,000
約定分の価格影響−260円、−2.6pips−20円−240円。約定分のpip価値100円で割る。
二価格を単純平均149.980円、−2pips不利な大口約定を過小評価する誤った要約。
取消し後の保有買い2,000 USDが残る取消しは元の買い持ちの決済ではない。

依頼12,000 USDのpip価値120円で割ると−2.1667pipsに薄まります。約定品質と未決済数量の二つを別々に確認してください。これは実口座の測定値でも将来予測でもありません。

次のステップ

次の一回は、依頼と約定を分けた記録を作り、成行・指値・逆指値の違いを照合します。価格制約を選ぶときは未約定の結果も含めます。

単純平均より数量加重、そして残存数量

単純平均より数量加重、そして残存数量架空の円建て二約定モデル。価格の良し悪しだけで決済完了を判断しません。仮定に基づく計算数量加重価格149.974円約定価格影響−260円/−2.6pips元の買い持ちの残り2,000 USD
単純平均より数量加重、そして残存数量. 架空の円建て二約定モデル。価格の良し悪しだけで決済完了を判断しません。

一件の注文、全約定、残存ポジションを三つに分けて確認します。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

数量加重価格
149.974円 – 約定10,000 USDで加重。
約定価格影響
−260円/−2.6pips – 取消し2,000 USDを分母に入れない。
元の買い持ちの残り
2,000 USD – IOC取消し後もポジションが残る。

スリッページ想定を増やしたら数量も再計算

計算と確認:約2分

予算100 USD、損切り30pips、1lotのpip価値10 USD、1lot当たり往復手数料7 USD、固定費2 USD。合計不利スリッページ1pipなら0.30lotのモデル損失は97.10 USDです。他を変えずスリッページだけ5pipsにしてください。

費用込み数量を再計算する

結果と理由を確認

1lotのモデル損失は35×10+7=357 USD。0.01lot刻みで切り下げると0.27lot、損失は0.27×357+2=98.39 USDです。元の0.30lotを残すと109.10 USD。計算機は数量を再調整します。

スリッページは入力仮定で、予測や約定保証ではありません。損切り距離や実約定価格に既に含まれる差を二重加算しません。