ファンダメンタル分析

スイスフランとSNB介入:下限撤廃、統計、口座損失を分ける

2015年声明の当時の手段名を確認。純購入と総売買のSVG、CHF建て約定別損失表、円評価の独立例で誤読を防ぐ。

スイスフランの政策と価格変動を表す編集用イメージ。実際の介入取引や価格履歴ではありません。
政策、取引統計、口座評価は別の記録です。

レバレッジを使うFXやCFDでは、短時間で大きな損失が生じることがあります。内容は学習用であり、個別の投資助言ではありません。

この記事の内容

この記事を読むと…

  • EUR/CHFと逆数の変化率、政策の約束と保証を区別する。
  • 介入取引、総売買、残高評価を別指標として読む。
  • 約定別CHF損失と円評価変化を独立に計算する。

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中央銀行 金融政策 残高(Balance) レバレッジ 流動性 マイナス残高保護

2015年1月15日、スイス国立銀行(SNB)は1 EUR=1.20 CHFの最低為替水準を撤廃しました。EUR/CHFの下限を守るという政策は変更可能な約束でした。本稿は介入手段、表示の向き、架空の価格飛びが口座へ及ぼす影響を分けて説明します。

安全通貨という性質は比較相手による

為替は二通貨の比較です。EUR/CHF下落はEURに対するCHF高ですが、USD自身も反応するUSD/CHFは違う動きになり得ます。Grisse・Nitschkaの2013年SNB研究要約は多くの通貨に対する安全通貨的性質と、例外および時期による変化を示します。将来、恐怖が必ず全通貨に対するCHF高を生むとの予測でも、レバレッジ取引の安全保証でもありません。

CHF高は契約・費用に応じ、輸出企業の外貨建価格や国内利幅へ影響します。輸出総額を国内生産全体の比率と同一視せず、SNBの物価安定の責務を恒久的な通貨安義務と考えません。

1.20の下限と防衛の仕組み

SNBは2011年9月6日に1 EUR=1.20 CHFの最低水準を導入しました。EUR/CHF下限とは、CHFで測るEURの値がそれを下回ることへの防衛です。後に撤廃された政策で、恒久的な為替法則ではありません。

SNBの説明では、CHFを対価に外貨を買うと資産の外貨投資が増え、銀行のCHF当座預金へ入金されます。他条件一定なら売却は逆方向です。これは会計上の作用で、価格の比例変化を予測する式ではありません。CHFを創造できても、約束が永続したり常にCHF安を狙ったりするとは限りません。

2015年の発表と、表示を逆にした百分率

2015年1月15日声明は、異例のCHF過大評価の下で導入した最低水準について、主要地域の政策乖離など状況が変わったと説明し、必要なら引き続き為替市場で行動するとしました。将来の一つのECB施策だけが結果を決めたとの証拠ではありません。

架空の1.20→0.85ならEUR/CHF変化は(0.85/1.20−1)×100=約−29.17%。逆数で測るCHFのEUR価値は(1.20/0.85−1)×100=約+41.18%です。分母が異なる計算で、特定市場の2015年1月15日の実測価格を示していません。

マイナス残高保護は制度、顧客区分、契約に依存。ESMAの2018年EU個人向けCFD介入は当該CFD口座の資金に総債務を限定しましたが、全法域・プロ・商品に共通せず、2015年の個別債務の証明でもありません。主要中央銀行の読み方へ。

過去のマイナス金利と介入

同日、SNBは免除枠を超える当座預金残高の金利を−0.75%へ引き下げ、三か月Libor目標レンジを−1.25〜−0.25%へ変更しました。当時の手段名であり、後のSNB政策金利という別の名称や、現在の金利に置き換えません。

SNBは金融政策目的でCHFに対して外貨を売買できます。取引統計の指標・期間を読み、当座預金や準備資産残高だけには他の操作・評価変化も混ざると理解します。日本は財務大臣が為替介入を判断し、日本銀行が代理で実行する仕組みです。 日本の円政策と介入。

SNBのFAQは四半期末に前四半期の介入量を開示すると説明。指標名・単位・対象四半期と公表時刻を残し、後の数値を公表前に知っていたと扱いません。当座預金はレポやSNB Bills、外貨投資価値は収益や評価にも左右され、週次残高差だけで介入量・方向を特定できません。 残高。

純購入額から総売買額は分からない

二つの架空台帳を同じCHF評価単位、一定価格で比較。ともに純購入10ですが、総売買額も10なのはAだけです。

図は必要に応じて横スクロールできます。

横にスクロールすると図全体を確認できます。

二つの架空台帳:純購入と総売買Aは買10・売0で純10・総10。Bは買60・売50で純10・総110。棒は同じ一単位五ピクセルの尺度です。純額は同じ、総額は異なる外貨売却外貨購入台帳A+100純額:10 − 0=10総額:10 + 0=10台帳B−50+60純額:60 − 50=10総額:60 + 50=110両台帳とも同じCHF単位
純購入は買いから売りを引き、総売買額は両方向を足します。答える問いが違います。

純額だけでは総売買額、注文数、順序を復元できません。統計の名称・単位・期間を先に揃えます。この会計上の区別はCHFの次の動きを予測しません。

10・60・50は架空のCHF単位で、全取引を一定価格で評価。収益・資産再評価・その他の残高変動を除外し、実際のSNB四半期を表しません。公式の介入手段説明と区別した模型です。

架空の約定価格ごとに影響を計算する

架空のEUR/CHF買い10,000 EUR、入口Ask1.2000、取引前有効証拠金5,000 CHFのCHF口座。通常SLはBid1.1900、総手数料2 CHF、金利・換算なし。各行は途中ロスカットなしで示すBidで全決済すると仮定し、業者の実約定を約束しません。

同じ10,000 EUR建玉、異なる架空決済価格
入口Ask1.2000 CHF/EUR、総手数料2 CHF
出口Bid価格損益純損益CHF開始5,000 CHFに対する損失
1.1900−100 CHF−102 CHF2.04%
1.1000−1,000 CHF−1,002 CHF20.04%
0.9600−2,400 CHF−2,402 CHF48.04%

純損益=(出口Bid−入口Ask)×10,000−2。約定価格にスプレッドが含まれるので二重控除しません。IG UKの説明も通常SLの不利な約定を認めますが、表は2015年顧客の再現やロスカット順序の予測ではありません。残高保護と一建玉の損失予算、SL約定保証は別です。

安定と呼ばれる通貨にも予期しない政策変更があります。数量・レバレッジが口座影響を変え、過去の静けさは価格保証になりません。EUR側はECBの決定も調べますが、それだけが下限撤廃を決定したとは考えません。 レバレッジ、ECBの政策発表。

残高と直近の静けさでは分からないこと

政策の約束や最近の低変動を恒久的な境界としません。自分の数量とレバレッジで価格飛びを検討し、金・USD・JPYとの関係も期間と表示方向を揃えた観測として扱います。 レバレッジの影響。

残高上昇は購入の証明ではない

架空の資産残高500十億CHFから、利息・配当を除いて比較。Aは売買なしで保有資産のCHF評価だけ10%上昇。Bは評価不変で50十億CHFを購入します。

同じ残高差を作る二つの架空原因
指標:十億CHFA:再評価B:購入
開始残高500500
評価変化+500
純購入0+50
期末残高550550
残高差+50+50

両方550ですが、純取引はAで0、Bで50。10%はポートフォリオ全体のCHF評価変化で、為替逆数の百分率ではありません。実際のSNB準備や介入の推定ではなく、残高・収益評価・公表取引を分ける例です。残高二点しかなければ、購入額と断定せず価値の変化と書きます。

次に確認すること

  1. 約定価格の代替シナリオを計算。ペア、表示方向、数量、口座通貨、入口、出口、費用を明記。10,000 EUR模型で予定SLと不利な価格を比べ、途中強制決済なしの前提を残します。実測2015年価格や確率、最大損失ではありません。
  2. 保護制度の対象を確認。法人、法域、顧客区分、商品、当該口座資金を特定し、契約と規則を読む。過去の全入金を保護額としたり2015年と現在の法的結果を同じとしたりしません。
  3. 介入統計の指標を読む。SNB外為取引統計の対象四半期を確認。当座預金はレポなど他の流動性操作でも変わるため、週次急増だけで介入量・方向を特定しません。 流動性。
  4. 資産間の比較は観察として実施。USD/CHF、金、円ペアの時刻と表示方向を揃え、その標本で同時に動いたか記録。固定相関や、同時変化だけによる原因の断定は避けます。

CHF口座の2.04%損失と、円評価の8.16%減少は両立する

独立した架空の円評価例です。開始5,000 CHFを評価用160 JPY/CHFで800,000 JPYと表示。その後、前の表のSLシナリオで純損益−102 CHFが確定して4,898 CHFとなり、同時点の評価用レートを150 JPY/CHFと仮定すると734,700 JPYです。換算手数料・金利・税はなし。二つの評価レートは顧客の実両替約定でも2015年の実測でもありません。

CHF系列の損失率は102/5,000=2.04%。一方、円評価差は734,700−800,000=−65,300 JPY、開始円評価に対して−8.1625%。開始5,000 CHFの評価変化−50,000 JPYと、確定取引損益−102 CHFを期末レートで評価した−15,300 JPYに分けると合計−65,300です。−102 CHFのすべてを取引入口の160で換算すると、この分解と合わなくなります。

これは円からCHFへ実際に交換した記録や日本の業者への入金手順ではなく、外貨口座を円で比較する際の計測例。取引成績と口座通貨の円評価変化を混ぜず、通貨、評価時刻、換算レートを別欄へ残します。CHF高・安の政策見通しもこの算術からは導けません。

同じ口座でもCHF成績と円評価を区別架空の5,000 CHF口座。取引純損失102 CHF、評価用CHF/JPY160→150。実両替や市場履歴ではありません。仮定に基づく計算開始円評価5,000 × 160=800,000 JPY終了円評価4,898 × 150=734,700 JPY差を二要因へ分解−50,000 −15,300=−65,300 JPY
同じ口座でもCHF成績と円評価を区別. 架空の5,000 CHF口座。取引純損失102 CHF、評価用CHF/JPY160→150。実両替や市場履歴ではありません。

円評価の変化すべてを取引戦略の損益と呼びません。元通貨の成績と換算条件を分けて残します。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

開始円評価
5,000 × 160=800,000 JPY – 通貨と評価時点を記録。
終了円評価
4,898 × 150=734,700 JPY – CHF取引損失率は2.04%、円評価減少率は8.1625%。
差を二要因へ分解
−50,000 − 15,300=−65,300 JPY – 開始CHF残高の為替評価変化と、期末換算した取引純損失。

理解度を確認

練習の目安: 約2分.

架空台帳で購入35 CHF単位、売却25。同じ単位・評価なら純購入と総売買額は。

答えと解説を見る

正解。35−25=10、両方向の和35+25=60です。

よくある質問

CHFは必ず安全資産ですか。
比較相手と時期が必要です。2013年SNB研究要約は多くの通貨で安全通貨的性質を認めますが例外と時間変化も示します。EUR/CHF下落とUSD/CHFは同じ意味ではなく、将来の恐怖への反応や金・USD・JPYとの固定相関を保証しません。
2015年1月15日の発表は何でしたか。
1 EUR=1.20 CHFの最低水準を撤廃し、免除枠超の当座預金金利を0.5ポイント下げ−0.75%、三か月Libor目標を−1.25〜−0.25%としました。当時の手段で現在金利ではありません。一ページ声明は普遍的な日中価格・顧客約定・破綻記録を示さず、本稿1.20→0.85は架空です。
介入統計と残高差をどう読みますか。
対象四半期と公表時刻を確認。当座預金には他の流動性操作、資産残高には収益や為替・市場評価も混ざります。架空500→550は再評価50・純購入0でも、再評価0・純購入50でも成立。純額から総売買額も分からず、次のCHF方向は決まりません。
残高保護があればSLや予算は保証されますか。
違います。ESMAの2018年説明は該当CFD口座の現金・未実現純利益に基づく総債務で、通常SLとは別。法人・法域・区分・商品・契約を確認します。途中清算なしの架空10,000 EURでは純損失102 CHFも2,402 CHFもあり、2015年の実際の債務や約定の再現ではありません。口座資金自体の損失も防ぎません。

出典と検証

  1. www.snb.ch

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  2. www.snb.ch

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  3. www.snb.ch

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  4. www.boj.or.jp

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  5. www.esma.europa.eu

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  6. www.ig.com

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

計算例には前提条件を明記しています。現在の市場データや提供会社の取引条件の代わりにはなりません。

著者について

Jarosław Wasińskiはポーランドの編集者・市場アナリストです。2004年にMyBank.plを設立し、2007年から外国為替市場の分析に携わっています。