2015年1月15日、スイス国立銀行SNBは一ユーロ当たり1.20CHFの最低為替レートを撤廃し、免除基準を超える当座預金金利を−0.75%へ引き下げると発表しました。これは過去の政策例です。公表された為替制度を、レバレッジ建玉の永久の保護線と扱わないことが教訓になります。

USD/CHFと、安全資産という言葉の範囲

USD/CHFは一USDに対するCHFです。両通貨とも逃避需要を集め得るため、危機ならUSD/CHFが必ず下がるとは限りません。基軸通貨USDが決済通貨CHFに対して強くなる買いと、CHF現金の保有も違います。

Safe havenはリスク回避時に求められる性質の説明で、全危機で値上がりし全口座を守る約束ではありません。比較通貨、期間と評価単位を指定します。GrisseとNitschkaのSNB Working Paper2013-04は1990年1月–2011年8月の月次変化を調べ、USD・EUR等の相手によってフランの反応が違うと報告しています。研究の限定標本で、今日のリスクニュースによる方向予言ではありません。

ペア名でなく、通貨ごとの増減を合計

横にスクロールすると図全体を確認できます。

二つの銘柄で、同じUSD保有が増えるUSD10,000の購入にCHF9,000を支払い、別途EUR10,000の売却でUSD11,000を受取。変化の合計はUSD+21,000、CHF−9,000、EUR−10,000。二つの現金交換CHF −9,000USD/CHFを買うEUR −10,000EUR/USDを売るUSD+21,000+USD10,000+USD11,000通貨残高の変化合計:USD+21,000/CHF−9,000EUR−10,000
USD10,000の購入にCHF9,000を支払い、別途EUR10,000の売却でUSD11,000を受取。変化の合計はUSD+21,000、CHF−9,000、EUR−10,000。

架空の現金交換で、既存CHF9,000を支払いUSD10,000を買い、別の既存EUR10,000を売りUSD11,000を受け取るとします。借入・費用・利息なし、必要なCHFとEURを初めから持つ模型です。

合計はUSD+21,000、CHF−9,000、EUR−10,000。別のペア名でも共通USD保有は増えます。受取21,000USDだけで利益が生まれたのではなく、資産構成が変わりました。全体評価には初期残高と評価通貨が必要。CFD建玉の帳簿やネッティング模型ではありません。

数量、見積と同時刻のクロスを照合

世界取引高の調査は指定期間の測定で、特定業者の現在スプレッド、板の厚さや週末ギャップを示しません。現在見積、契約数量、最低tickを確認。変動幅・相関を示すなら頻度、標本日付と方法を記録し、固定ATRや−0.95といった係数を無条件の特性にしません。

スプレッドなしの整合した同時刻見積ならEUR/CHF=EUR/USD×USD/CHF。架空1.1000×0.9000=0.9900。EUR/USDが2%下げ1.0780、USD/CHFが0.9000のままならEUR/CHF=0.9702です。USD/CHFの反対方向への動きを要求する恒等式ではありません。相関推定にもリターンと標本が必要で、独立した入口信号ではありません。

SNBの過去政策と、現在の設定を混ぜない

2015年声明は主要通貨圏の金融政策の乖離など、最低レートを維持する状況の変化を説明しました。バランスシート規模や所有構造から、永久の介入価格を推定しません。同行が説明する2021–2023年の文脈では、輸入インフレを抑えるため一定の名目フラン高を容認しました。介入が常にフラン安を狙う約束とも言えません。

最低為替レート撤廃と当座預金金利変更は2015年の同時決定です。現在の手段・設定はSNBの現行公表で確認し、−0.75%を今の金利と表示しません。日程にある発表だけでなく予定外の決定も考慮。中央銀行の過去の発言だけで売買価格を保証しません。

逆数を取るときはBid・Askも入れ替える

別の架空USD/CHF Bid0.8998、Ask0.9002、追加費用なしの同じ交換をUSD/CHFからUSD per CHFへ反転。逆向きBid=1/0.9002≒1.110864、Ask=1/0.8998≒1.111358(小数六桁)です。CHFを売ってUSDを買うときは元のAskを使います。

逆向きもBid<Askです。二つの逆数を元のラベルのまま並べればBidがAskを超えますが、裁定機会でなくラベルの誤り。逆スプレッドは1/0.8998−1/0.9002≒0.000494USD/CHFで、1/0.0004ではありません。通貨単位も変わります。

価格表・別チャートは同じ単位・価格側で比較。現金交換とCFDには別の契約情報が必要で、見積だけでは契約数量、利益通貨、金利や受渡を指定できません。

pip価値と、別々の決済約定を検算

独立した架空USD20,000買い、pip0.0001CHF/USD、全量Ask新規0.9002、その時Bid0.9000、手数料開始・終了各2CHF、金利・別費用ゼロ。pip価値2CHF、選んだSL0.8972は新規から30pipです。各行は別の全量決済シナリオ。

決済Bid価格損益純CHF仮定4.50PLN/CHFの純PLN
0.9000−4CHF−8CHF−36PLN
0.9062+120CHF+116CHF+522PLN
0.8972−60CHF−64CHF−288PLN
0.8952−100CHF−104CHF−468PLN

価格損益=20,000×(決済Bid−0.9002)、手数料は一回ずつだけ控除します。PLN模型は全CHF現金を同じ仮定4.50で、換算費用なしと指定。現在相場や業者規則ではなく、実口座は実際の各換算と請求を使います。

通常ストップは希望水準より悪く成立し得ます。0.8972で純損失64CHF、仮定悪化0.8952で104CHF。元のBid0.9000で直ぐ閉じる別行でも手数料後8CHF損失です。Ask新規とBid決済の差にスプレッドを含み、もう一度引きません。別条件で提供される保証ストップと通常注文は区別します。

執行の保護と、業者の破綻保護は別

強い通貨ショックは顧客と業者を共に圧迫し得ます。法人、顧客資産の管理、適用法域の保護を契約で確認。業者の融資、破綻や行政処分の履歴は別の一次資料が必要で、未検証の因果物語へまとめません。

SLの執行、レバレッジと負残高保護を別に確認。スプレッドが狭くても通常SLは滑り得て、負残高保護は法域・顧客区分・契約次第です。業者の倒産補償とは別で、いずれも利益保証ではありません。

日程、技術的な帯と通貨全体の感応度

SNBの公表日程に加え予定外の判断も想定します。2015年例は政策変化リスクの説明で、現在の変動幅の基準や日程の完全性を示しません。週末・イベントを明示した仮定ギャップで試験し、相関を執行の保険や独立信号にしません。

USD/CHF0.9000–0.9200、1.0500–1.0700を公式SNB防衛線とは扱いません。技術的な帯は政策の約束ではなく、文書化された過去の最低レートはEUR/CHF1.20で、2015年1月に廃止されています。ポートフォリオのリスクは銘柄名でなく通貨全体と契約から評価します。

新規前の準備:単位、予算とストレス条件

フランの逃避需要と、政策変更・レバレッジ損失は両立します。他の全主要通貨より中央銀行ショックが大きいとの比較証拠はここにはありません。普通のストップを頼りにする前にギャップ時の挙動を確認します。

明示した損失予算・契約数量・口座通貨と執行仮定から数量を考え、五倍レバレッジや300pipギャップを普遍的な安全境界としません。どちらも口座存続を保証しません。SNBの政策と介入で歴史・手段を、EUR/USDの特徴で共通USDとEURの建玉を照合します。

JPYで増えても、代替案より有利とは限らない

JPYで増えても、代替案より有利とは限らない架空現金モデル。初期CHF9,000をUSD10,000へ交換、費用なし。仮定に基づく計算USD現金の後のJPY評価1,496,000円CHFのまま保持した仮定1,530,000円通貨選択による差−34,000円
JPYで増えても、代替案より有利とは限らない. 架空現金モデル。初期CHF9,000をUSD10,000へ交換、費用なし。

資産のJPY上昇と、交換しなかった案との差は別の質問です。将来相場やCFD損益の予測ではありません。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

USD現金の後のJPY評価
1,496,000円 – 初期比+56,000円
CHFのまま保持した仮定
1,530,000円 – 初期比+90,000円
通貨選択による差
−34,000円 – 比較対象と評価単位を固定

追加例:CHFでの下落、JPYでの上昇、比較対象との差は別

完全に架空の現金交換。初めにCHF9,000を保有し、費用・スプレッド・利息なしのUSD/CHF0.9000で全てUSD10,000へ替えます。同時のCHF/JPYは160円/CHFで、初期評価1,440,000円。後の整合した見積はUSD/CHF0.8800、CHF/JPY170と指定します。借入・証拠金建玉や実際の受渡契約ではありません。

評価の質問計算結果
USD現金を後のCHFで評価10,000×0.88008,800CHF、初期より−200CHF
同じUSD現金をJPYで評価8,800×1701,496,000円、初期より+56,000円
CHFのまま保持した代替案9,000×1701,530,000円、初期より+90,000円
USDへの交換と代替案の差1,496,000−1,530,000−34,000円

USD/CHFは約2.22%下がっても、JPYで見たUSD資産は約3.89%上がります。ただしCHF保有を続ける代替案との差は−34,000円です。JPY評価の上昇だけで、この通貨選択が代替案より良かったとはできません。整合したUSD/JPYは初め144、後149.6円/USDです。

CFDの差額損益だけを換算する場合と、USD現金資産全体を再評価する場合を混ぜません。この例は前者の契約を記述せず、現金資産と比較対象の評価単位を切り分けます。将来のCHF/JPYや危機での値上がり、税額の予測でもありません。