AB=CDは、途中に戻しを挟む2本の値幅を比較します。等しい脚を描けても、それだけでは売買手法になりません。転換点がいつ確定するか、注文・決済・数量・費用を別に決めて、形の判定と約定可能な取引、その純損益の検証を分けます。

AB=CDの対称性は何を意味する?

A・B・C・Dを時間順に置き、同じ方向のABとCDの間にBCの戻しがあります。等長版ではABの値幅をCから投影します。同じ値幅でも所要時間や直線チャート上の傾きが等しいとは限りません。時間対称性も使うなら独立した条件にします。Dは完成候補であり、そこで注文が約定した証拠ではありません。

Larry PesaventoやScott Carneyの解説で知られる枠組みです。まずハーモニックパターンの基準と測る脚の意味を確認してください。

一般的なABCDとの区別

等長版ではABとCDの値幅を比較します。近似的な組合せは0.618と1.618、または0.786と1.272です。積がほぼ1になるためです。0.618と1.272の積は0.786096で、等長にはなりません。一般的なABCDでは別の派生も区別します。

フィボナッチ比率はどう組み合わせる?

ABの値幅、BCの戻し、BCを基準にしたCD投影を順に計算します。BCがABの約0.618なら投影は約1.618、約0.786なら約1.272。深いBCだけでBatとは呼べません。Batには追加のXAとその比率が必要です。

CからABの値幅を投影した水準と、対応するBC投影が重なる付近がD候補です。フィボナッチ測定で基準脚を明記しましょう。上昇反転候補ならAが高値、Bが安値で、下降反転候補は逆向きです。完成しても反転・約定・利益は保証されません。

架空のEUR/USD・上昇反転候補。実際の相場予想ではありません。

点価格と意味
A1.1000、下降脚の起点
B1.0800、ABは200 pips
C丸めた1.0924、BCは124 pips、BC/ABは0.6200。厳密な0.618なら1.09236
D候補等長なら1.0724。BCの1.618投影なら約1.07234

順番に判定するとき、何を記録する?

1.ABと転換点の確定時刻

A・B・Cの価格、時刻、転換点の確定条件を保存します。別の架空モデルでABを100 pips、20本目のCを1.09618とします。右側の確定足2本の高値が低いことを要求し、21本目の高値1.09500、22本目1.09400とします。等長Dは1.08618ですが、21本目の安値1.08600ですでに通過しています。Cが確定するのは22本目の終値時点。確定Cを必要とする手法が、それ以前の初回接触で入ったことにはできません。未確定Cを使う取引や後の再接触は別の規則です。

2.BCの戻しを測る

Carneyの定義にはBCがABの0.382〜0.886という幅があり、等長完成には対応する投影を用います。0.618や0.786だけに限定するなら、その検証で選んだ制限として記録します。すべてのAB=CDの定義に置き換えません。後の価格を見る前に投影と許容差を決めます。

3.Dを2つの基準から確認する

ABの値幅をCから投影し、BCの約1.618または1.272投影と比較します。それぞれ対応する戻し率は約0.618と0.786です。都合のよい方を後から選ばず、重なる範囲を完成候補にします。

架空のエントリー、損切り、目標を計算すると?

A 1.1000、B 1.0800、C 1.0924の例ではD 1.0724と約1.07234が近接します。仮に価格が完成付近を試し、反転条件が成立し、1.0745で買いが約定したとします。通常のストップを1.0705に置く計画なら40 pipsです。急変や窓では、指定より不利な価格で決済されることがあります。

Dを1.0724としたA–Dは276 pips。その38.2%戻しは約1.08294、61.8%戻しは約1.08946。1.0745から約84.4 pipsと149.6 pips、計画40 pipsに対して約2.11 Rと3.74 Rです。費用・滑り前の架空計算で、目標到達確率は示しません。

同時シグナルはどちらを選ぶ?

両方の形が成立しても、競合時の選択規則が必要です。

図は横にスクロールできます

横にスクロールすると図全体を確認できます。

同時シグナルはどちらを選ぶ?架空の10:00に候補12と27が利用可能。上限は1ポジション、同時なら事前番号の小さい方を採用。12を採用すると空きは1から0になり、27は見送りとして記録。後の値動きでは選び直しません。候補2つ、空き1つ検証前に決める規則:上限1、同時なら番号順候補12時刻:10:00条件:成立候補27時刻:10:00条件:成立12 < 27選択:候補12空き:1 → 0候補27:見送りを記録後の値動きで、過去の採用を選び直さない。

モデルの前提:架空の同時刻10:00に2候補が条件を満たす。空きは1つで、事前に割り当てた番号が小さい候補を選ぶ独自の検証方針です。プラットフォームの設定や保証ではありません。

12を採用すると1 − 1 = 0枠。後で27の成績がよく見えても見送り理由を保存します。未来の価格で選択を変更すると別の検証になります。TradingView公式資料は戦略条件と約定モデルを区別しています。この独自選択規則をpyramiding設定だけと同一視できません。

選択規則は戦略の一部であり、AB=CDの比率ではありません。

円通貨ペアに移すとき、許容差も移し替えていない?

ここからは独立した架空のUSD/JPYモデルです。1 pip=0.01円、価格の刻み=0.001円と仮定し、AB 150.000→149.000、C 149.618なら、ABは100 pips、等長Dは148.618です。BCの1.618投影は148.618076。これは計算上の未丸め値で、刻み0.001円に丸めると148.618になります。丸め方と判定に使う元の精度を固定します。

検証前に「等長Dから2 pips以内」という判定を選び、比較候補を148.628とすると、差は0.010円=1 pipで範囲内です。一方、EUR/USDの2 pipsを表す0.0002という価格幅をそのまま円通貨ペアへコピーすると、0.0002円=0.02 pipとなり、この候補は範囲外になります。同じ「2 pips」のつもりで100倍厳しいフィルターに変わるのです。

同じ2 pipsでも、価格幅は通貨ペアで変わる架空の許容差。EUR/USDは1 pip=0.0001 USD、USD/JPYは1 pip=0.01円と仮定。仮定に基づく計算EUR/USDの2 pips0.0002 USDUSD/JPYの2 pips0.02円0.0002を円にコピー0.02 pip
同じ2 pipsでも、価格幅は通貨ペアで変わる. 架空の許容差。EUR/USDは1 pip=0.0001 USD、USD/JPYは1 pip=0.01円と仮定。

pip単位と刻み、元データと丸め後を別々に保存。許容差の変更は戦略の変更で、採用後の利益を保証しません。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

EUR/USDの2 pips
0.0002 USD – 元の検証で使った価格幅。
USD/JPYの2 pips
0.02円 – D 148.618と候補148.628との差0.010円は1 pip。
0.0002を円にコピー
0.02 pip – 同じ数字でも100倍厳しい。候補は除外される。

許容差は通貨ペアのpip単位と価格刻みに変換し、元価格・丸め後価格・採否を別列に残します。2 pipsはこの説明で選んだ値で、推奨幅や優位性ではありません。形が許容差内でもAsk/Bidの約定条件や建玉管理は別です。数量10,000 USDなら、この仮定で1 pipの値幅は100円相当ですが、判定誤差そのものが100円の実現損失になるわけではありません。

AB=CDで起こりやすい取り違えは?

  • 決めた比率を外れた候補を、別モデルと明記せず採用する。BCだけではBatを識別できません。
  • 1.272という投影だけで十分とする。ABとCDの値幅、およびBCとの対応が必要です。
  • 値幅の等しさを所要時間や傾きの等しさと取り違える。時間条件は追加のフィルターです。
  • CDが伸びている途中、Dの完成前に入った取引を、完成後の手法として検証する。
  • Dの外へストップを指定すれば損失が固定されると思う。ヒゲや完成した形だけでは、実際の約定価格はわかりません。

5点パターンとの違いは?

AB=CDは4点、Gartley・Bat・CrabはX–A–B–C–Dの5点です。XAが追加の基準になり、Carneyの形ではDをGartleyのXA 0.786戻し、Batの0.886戻し、Crabの1.618拡張と比較します。GartleyとBatの比較で他の条件も確認できます。

より大きな構造の中で、等長または明示した倍率のAB=CDを測ります。代替投影はABに所定の倍率を掛けてCから投影する別条件です。等長Dを通過した後で、失敗した候補を無断で別名にしないでください。戻しの測り方でも基準脚と単位を固定します。

形を見つけた後、約定と費用をどう検証する?

簡単・有効と決める前に、手法を定義して検証します。独立した架空のUSD口座モデルで、シグナルはすでに利用可能、10,000 EURをAsk 1.08640で買い、通常ストップ1.08440、目標1.09040とします。Bidが各水準で正確に決済できた場合、価格差損益は−20 USDまたは+40 USD。追加費用合計を3 USDと置くと、純損益は−23 USDまたは+37 USDです。スプレッドは約定価格に含まれているため再加算しません。ストップが1.08390で約定した場合は−28 USDです。最適化済みの規則でも実取引でもありません。未約定指値と見送りも保存します。

国内で使う場合も取引先と契約を確認します。金融庁の注意事項では、日本の個人向け店頭FXの証拠金は取引金額の4%以上、レバレッジ換算25倍以下とされています。法人・取引所FX・他のCFDへ一律に適用する数字ではありません。ロスカットでも証拠金超の損失があり得ます。海外ライセンスだけで日本での登録に代えることはできず、この図形は取引先の適法性や口座開設可否を証明しません。

次の練習で何を残す?

  1. TradingView等のEUR/USD・1時間足で2脚の候補を見つけ、A–B–Cと確定時刻を順に記録する。未来のDを先に見て選ばない。
  2. ABとCDの等長、および0.618/1.618や0.786/1.272の対応を照合し、許容差の単位も保存する。
  3. 脚比率、D範囲、ストップ、実際の損益比と費用を取引日誌の別列へ記録する。
  4. 対称完成水準のアラートを使い、接触時に事前の反転条件が成立するかを確認する。アラートは注文ではない。
  5. 全シグナル、見送り、未約定、純損失を残し、規則を変えず別の後期期間で比較する。MT5公式テスター資料のforward分割は期間を分ける機能です。pip損益モードはcommission・swap・証拠金チェックを除くため、最終的な現金損益検証の代わりにはなりません。デモ20回だけで優位性や実口座への準備完了は証明できません。