テクニカル用語

SLを損益分岐点へ移す前に:費用、受取、価格刻み、変更確認

入口と純損益ゼロの違いを検算し、12,000 EUR模型の丸め誤差を確認。円の確定受取例とMT5変更の受付・執行も分けます。

分岐価格とSL変更を抽象化した編集用イラスト。実際の注文画面や約定実績ではありません。
計算・変更受付・約定は別の段階です。損失ゼロを保証しません。

レバレッジを使うFXやCFDでは、短時間で大きな損失が生じることがあります。内容は学習用であり、個別の投資助言ではありません。

この記事の内容

この記事を読むと…

  • 価格損益と別請求費用・受取から純額ゼロを計算する。
  • 隣接する価格刻みで損益の符号を確かめる。
  • 変更要求、サーバー受付、実約定を区別する。

記事内で用語を調べる

損益分岐点(Break-Even) ストップロス コミッション(売買手数料) 注文約定(Execution) 想定元本(Notional) デモ口座(仮想資金の練習口座)

損益分岐点は、指定した約定価格と費用の下で純損益がゼロになる条件です。SLをエントリーへ移しても費用分の損失が残り、通常ストップは滑る場合もあります。価格損益、往復費用、換算を分け、変更要求の受付まで確認します。いつ移すかは評価する規則であり、ノーリスクの約束ではありません。

価格損益ゼロと純損益ゼロは別

価格損益+資金調達の受取−費用=0となる決済価格が純損益の分岐点です。純費用や受取次第で、エントリーと同じ、有利側、不利側にもなり得ます。これは仮定した約定結果の等式であり、通常ストップをそこへ置いても約定価格や結果は保証されません。

通常の二方向気配では買いはAskで入りBidで閉じ、売りはBidで入りAskで閉じます。実際の両約定価格が同じなら価格損益はゼロで、スプレッドを再控除しません。別途記帳する往復手数料、資金調達費、他費用を同じ通貨で加減します。受取があれば必要な価格益を減らせます。数量・料金・換算が変われば再計算し、ECNという名称だけで料金を決めないでください。

MT5でSL変更を要求し、反映を確認する

デスクトップMT5では取引タブの対象建玉を右クリックし、Modify or deleteからStop Lossを入力して変更します。有効化したチャート上のドラッグも使え、設定によって確認ダイアログがあります。サーバー応答と保存されたS/L欄を確認します。候補線や送信だけでは受理済みとは言えません。別プラットフォーム・版はその手順を確認してください。

価格刻み、最小ストップ距離、他の変更制限に合う必要があります。手数料なしで同じローカル日付に決済しても、資金調達等がない保証はなく、業者の計上境界が重要です。同じ価格で約定し、純別費用・受取ともゼロなら純損益もゼロ。スクリプトも受理・執行の制約を受け、端末稼働が必要な場合があります。

厳密なゼロは選べる価格の間にある場合がある

計算式は数値を返しますが、送信可能な価格は銘柄仕様が決めます。

図全体を見るには横にスクロール →

横にスクロールすると図全体を確認できます。

ゼロ点と実際の価格刻み架空の12,000 EUR買い、入口1.10000、費用5 USD。数学上のゼロは1.1004167…ですが、刻み0.00010の隣接価格で決済した仮定では、純損益−0.20 USDまたは+1.00 USDです。買い12,000 EUR・費用5 USD入口1.10000理論上のゼロ:1.1004167…仮の価格刻み:0.00010低い方の価格1.10040純額−0.20 USD高い方の価格1.10050純額+1.00 USD厳密なゼロは価格刻みの間

USDで損益を計算する線形EUR/USD模型です。往復費用は5 USD固定、換算・追加費用なし。比較する各価格で全量約定し、他のSL変更制限がないと仮定します。実務では価格刻みに合うだけで受付・約定は保証されません。MetaQuotesも最小価格変化とストップ制限を別項目にしています。

数量12,000 EUR、費用5 USDの仮定では、理論ゼロ1.1004167…の隣接価格1.10040と1.10050で純額−0.20と+1.00 USD。受付・約定の保証ではありません。

1.10000+5÷12,000=1.1004167…。1.10040なら12,000×0.00040−5=−0.20 USD、1.10050なら12,000×0.00050−5=+1.00 USD。最も近い価格への丸めが非負の損益を保つとは限りません。算術確認でありSL推奨水準ではありません。

具体的な仮定でゼロ点を求める

架空の線形EUR/USDで数量100,000 EUR、USD口座、買い約定Ask1.08500、pip0.0001とします。同時の仮Bid1.08492なら直後の価格損益は−8 USD、1 pipは10 USD。別請求の往復手数料は合計7 USD、資金調達・換算・他費用なしです。手数料は0.7 pip相当。業者料金や日本で全社共通の1 lot数量ではありません。

決済Bidが正確に1.08500なら価格損益0・純額−7 USD。1.08507で正確に約定すれば価格益7 USDで手数料を相殺します。後で資金調達費3 USDが加われば費用10 USDとなり、数学上の分岐は1.08510へ変わります。通常ストップがその価格で約定する保証はありません。計算と実際のストップ執行は分けます。

いつ変更するかを評価する

分岐点への変更は出口経路を変えますが、入口の仮説を証明しません。仮の一経路では新SLへ戻った後に上昇し、別の経路では早期決済で大きな損失を避けます。選んだ一例だけでは優劣は決まりません。同じ入口・数量・費用・執行仮定で、先に定義した別案と比較します。

初期の予定価格リスク相当の有利変動1Rや、明示したチャート条件を変更の候補にできます。ただし最も安全な時点や勝率向上の証拠ではありません。逃した後の利益と回避損失の両方を含め、純損益・ドローダウンを記録します。1・2%ルールやメンタルストップの比較も確認してください。

次に行うこと

  1. 一つの模型で純額ゼロを計算する。実契約数量、入口、記帳済み資金調達、推定決済費用を口座通貨にそろえます。費用と受取を分け、隣接する価格刻みも比較します。入力が変われば更新し、推奨SLや約定保証とは呼びません。
  2. 標本全体を確認する。費用と執行仮定を含め、記録した分岐点方針を事前定義した別案と比較します。選んだ20件の3分の1という恣意的な閾値だけでは改善は証明できません。
  3. 比較前に変更規則を定義する。閾値、要求価格、拒否時の対応、費用を明記し、別案と比較してから採用します。1Rやチャート条件が簡潔に書けるだけで適切とは決まりません。
  4. 操作して反映を確認する。デモで変更画面と有効化したドラッグを試し、拒否要求も含め受付と保存SLを確認します。デモは操作確認であって本番の約定品質の証明ではありません。リスク管理の計算も別に確認してください。

円の追加例:受取があれば買いのゼロ点も入口より下になる

追加の架空USD/JPY買いです。数量10,000 USDをAsk150.000 JPY/USDで約定、記帳済みの確定した資金調達受取500 JPY、往復の別費用合計200 JPY、それ以外の費用・換算なしとします。予定の将来スワップを確定受取に見立ててはいけません。各決済価格はBidでの全量約定を仮定します。

確定受取がある円模型の純損益架空USD/JPY買い10,000 USD、入口Ask150.000、記帳済み受取500 JPY・別費用200 JPY。決済は指定Bidで全量約定の仮定。仮定に基づく計算入口と同じ決済Bid150.000+300 JPY理論ゼロのBid149.9700 JPY不利な約定Bid149.900−700 JPY
確定受取がある円模型の純損益. 架空USD/JPY買い10,000 USD、入口Ask150.000、記帳済み受取500 JPY・別費用200 JPY。決済は指定Bidで全量約定の仮定。

純額ゼロは入口の有利側とは限りません。受取を含む式と通常ストップの実約定を分けます。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

入口と同じ決済Bid150.000
+300 JPY – 価格損益0+500−200。
理論ゼロのBid149.970
0 JPY – 価格損失−300+500−200。
不利な約定Bid149.900
−700 JPY – 価格損失−1,000+500−200。

純額=10,000×(決済Bid−150.000)+500−200です。入口と同じ150.000なら+300 JPY、ゼロ点は150.000−300÷10,000=149.970。価格損失−300と受取500、費用200が相殺します。通常ストップを149.970へ要求しても、149.900で不利に約定すれば−1,000+300=−700 JPYです。これは実業者のスワップや保証商品ではなく、受取・費用・価格損益を分ける模型です。新たな費用や数量変更があれば再計算します。

理解度を確認

練習の目安: 約2分.

図の仮定で1.10040に約定したとき、純損益はいくらですか。

答えと解説を見る

正解です。12,000×0.00040−5=−0.20 USDです。

よくある質問

SLを入口へ移せば結果はゼロですか。
実際の両約定価格が同じで、純別費用・受取がなければゼロです。スプレッドを再控除しません。手数料、資金調達、換算で純額は変わり、同じローカル日付でも費用なしとは限りません。入口へSLを指定しても約定は保証されません。
何R有利に動いたら移しますか。
普遍的に最も安全な閾値はありません。1Rやチャート条件は候補ルールです。同じ入口、数量、費用、執行仮定で別案と比べ、回避した損失と後で逃した利益の双方を含めます。選んだ閾値は変更受付、純額ゼロ、将来性能を保証しません。
分岐点への変更とトレーリングの違いは何ですか。
分岐点の変更は指定価格・純額条件を目指し、トレーリングはその後の有利な動きに沿う更新規則です。組合せはできますが、費用、追加資金調達、不利な約定は残ります。候補をサーバーが受理したか、保存水準と起動・更新条件を確認します。
EAで自動変更してよいですか。
規則を反復できますが、価格単位、費用・受取、口座通貨換算、稼働条件、サーバー応答を試す必要があります。計算値が無効・拒否になる場合もあり、保存SLを確認します。自動化だけでは正しい計算、変更受付、決済価格を保証しません。

出典と検証

  1. www.metatrader5.com

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

  2. www.mql5.com

    内容の参考資料。記事に記載した範囲と前提を確認してください。

計算例には前提条件を明記しています。現在の市場データや提供会社の取引条件の代わりにはなりません。

著者について

Jarosław Wasińskiはポーランドの編集者・市場アナリストです。2004年にMyBank.plを設立し、2007年から外国為替市場の分析に携わっています。