約定確認を受け取った取引でも、後から訂正や紛争が生じることがあります。ただし、業者が数値を変えたという事実だけで、その変更が契約上正当とは言えません。まず元の確認書と改訂記録を保存し、約定の変更・損益の差額・残高への記帳を別々に照合します。

注文の取消しか、約定済み取引の訂正か

未約定の指値を取り消す場合、まだ約定していない数量の取消しです。一部約定後なら取消し対象は残数量になり得ます。取消しボタンを押す間に約定する競合もあるため、画面操作の時刻とサーバー側の最終状態を区別します。「受付済み」は必ずしも「全量約定済み」ではありません。注文・約定・ポジションのID、数量、価格、受付/約定時刻、サーバー応答全体を記録します。

卸売FXの電子取引でいうlast lookは、取引要求を最終的に受け入れるか拒否するための確認です。FX Global Codeの原則17は透明性や価格・有効性確認を扱いますが、同Codeは法律に代わるものではなく、個人CFDの約定を後から自由に取り消す一般的権利を与えません。要求受信、受諾、約定、後日の訂正判断を同じ出来事にまとめないでください。

適用される法人・商品・契約版を先に特定

契約先の正式法人名、国、監督当局、口座区分と商品を確認。店頭CFD、取引所株式、銀行の外貨交換は同じ制度ではありません。必要なのは事故時に適用された契約版であり、現在サイトにある最新PDFだけでは足りません。外国の登録や日本語サイトの存在だけから日本での登録・居住者の利用資格を推定しません。

外国契約の時点付き事例:XTB S.A.のポーランド向け2026年9月30日版では、6.73–6.77が誤った価格を理由とする撤回と合意による修正を区別し、6.76は決済取引の撤回時に元のポジションを復元する場合を扱います。6.71の外部提供データ/注文等の撤回は別の扱いです。公式索引ではこの版の期間は9月30日〜10月26日、次版は10月27日からと表示されています。後日の案件にはその時点の版を取得します。これは日本向け条件でも、全業者に共通する期限・権利でもありません。条項の存在だけでは今回の適用事実や適法性は立証できません。

元と修正後を上書きせず保存

元の約定確認、履歴エクスポート、訂正通知、最新履歴、契約PDFを別ファイルに保存し、取得時刻とタイムゾーンも残します。スクリーンショットだけでは銘柄、日付、数量、費用が欠ける場合があります。不明な欄は記憶で補わず「未確認」と記します。

二つの版で比較する項目
対象残す情報
同一性注文・約定・ポジションID、接尾辞を含む銘柄、売買方向、数量
変更旧価格/新価格、約定時刻/訂正時刻、各タイムゾーン
金額損益・手数料・資金調整・別の調整記帳、各通貨
根拠通知と問い合わせ番号、当時の契約条項、価格の根拠

原本は非公開で保持し、公開相談には伏字コピーを使います。口座番号、本人確認書類、パスワード、ワンタイムコード、カード情報を公開しません。正式な提出は業者や相談機関の確認済み窓口を使います。

新しい利益全額ではなく、差額を照合

以下は入出金も他の取引もない、ポジション決済済みの架空USD口座です。開始1,000 USD、元の利益50 USD、費用2 USDなら残高1,048 USD。利益だけを30 USDへ修正し費用が同じなら、調整は30−50=−20 USD。直前残高から1,048−20=1,028 USD、開始からも1,000+30−2=1,028 USDです。新しい30をさらに引いて1,018とするのは別の請求との混同です。

利益修正は差額で照合

横にスクロールすると図全体を確認できます。

利益修正は差額で照合他の動きがない架空の決済済み口座。開始1000 USD、利益50、費用2で1048 USD。利益を30へ変更し費用は同じなら調整−20、残高1028 USD。1. 開始残高1,000 USD他の入出金・取引なし2. 元の決済利益+50・費用−2残高:1,048 USD3. 修正後の利益50 → 30 USD差額:−20 USD4. 修正後の残高1,048 −20 = 1,028 USD費用2 USDは変更なし

−20の差額記帳は新しい決済取引とは限りません。計算が一致しても変更の契約上の根拠が確認できたことにはなりません。全撤回なら別モデルです。利益50を戻し費用2も返す仮定では1,048−50+2=1,000、費用が返らなければ998 USD。費用返金を当然とはしません。

実口座では途中の入出金、他の決済、費用、資金調整を別に足し引きします。口座通貨が異なれば元通貨金額、換算レート、口座通貨記帳額を残し、異なる通貨をそのまま合計しません。

円換算も変わったら、差額を二段に分ける別の架空モデル。旧利益50 USDを150円/USD、新利益30 USDを152円/USDで記帳したと仮定。開始100,000円、費用300円は不変、他の動きなし。業者の実条件や税務換算規則ではありません。仮定に基づく計算旧版と新版7,500円 → 4,560円損益変更分・旧レート固定−3,000円新利益の換算差+60円
円換算も変わったら、差額を二段に分ける. 別の架空モデル。旧利益50 USDを150円/USD、新利益30 USDを152円/USDで記帳したと仮定。開始100,000円、費用300円は不変、他の動きなし。業者の実条件や税務換算規則ではありません。

USD差額−20に新レート152を掛けた−3,040円だけでは一致しません。元通貨損益と旧新レート、円記帳の三つを対応させます。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

旧版と新版
7,500円 → 4,560円 – 50×150 と30×152。残高107,200→104,260円。
損益変更分・旧レート固定
−3,000円 – (30−50)×150。
新利益の換算差
+60円 – 30×(152−150)。合計−2,940円。

履歴の置換と追加記帳を二重計上しない

MT5の公式Deal PropertiesではCanceled Buy/Canceled Sellへの変更時、元の結果がゼロとなり、以前の損益を戻す別の残高操作が行われる形式を説明しています。プラットフォームの記録形式の説明であり、契約上その取消しが正当という意味ではありません。元のエクスポートの利益、修正後の履歴、残高調整を一つの合計に無条件で混ぜると二重計上します。

作業を二つに分けます。①訂正直前→直後の残高橋渡しを各記帳で照合。②期間全体は整合した一つの履歴版で再計算。置換されたのか、差額が追記されたのか不明なら、業者に旧IDと新ID・記帳IDの対応を求めます。戦略成績のレポートも修正の影響を受け得ます。

問い合わせは根拠と現在の建玉を具体的に

旧/新確認書、対象約定、適用契約版、訂正理由と価格の根拠、全記帳の対応を照会します。価格比較は同一銘柄・同時刻・タイムゾーン・数量・Bid/Askを揃えます。他社チャートと違うだけでは誤執行の証明になりません。BidとAskのどちらで作動・約定したかが必要です。

現在のポジションが決済、復元、減少、反転のどれかを確認し、SL/TPや未約定注文も調べます。異議申立て中でも市場リスクが止まるとは限りません。任意の新しい指示を出す前の状態を記録してください。旧利益→新利益→差額、費用、通貨、前後残高を一行で示し、未回答事項を分けるとやり取りを再現できます。根拠なく業者の意図を断定しません。

解決しない場合は、契約先と商品・居住地に適用される正式な苦情手続や相談経路を確認します。世界共通の申立期限、返金、裁定結果はありません。元のストップ執行を調べる証拠も参照します。

今日保存する四点

  1. 元/訂正版と当時の契約を別々に保存。
  2. 直前直後と期間全体の二通りで照合し、異通貨を分ける。
  3. 現在の建玉と保護注文、未約定注文を確認。
  4. 解決済み/争い中を明示し、両版と回答を保持。

本稿は記録の照合手順です。個別契約の法的判断や税務上の換算方法の指定ではありません。