含み益がある架空のGBP/USD買いでストップを近づけると、利益の返却を減らせる可能性と、押し目で決済する可能性の両方が変わります。ATRによる距離は測定した値幅に連動しますが、結果は価格経路、設定、約定にも依存します。規則を定義し、検査する方法を確認します。

固定距離とATR距離は異なる規則

比較する前に時間足、開始条件、更新方法を記します。固定30pipsはATR20pipsなら1.5倍、ATR80pipsなら0.375倍です。これは尺度の違いで、将来の押し目や早期決済の証明ではありません。MT5標準のトレーリングはポイント距離と端末側の更新を使い、ATR方式には別実装が必要です。指標の線があるだけで、業者に受け付けられた保護注文になるわけではありません。

ATRは銘柄、時間足、配信元、対象期間に依存します。価格単位で記録してからpipや金額へ変換し、金の契約数量や各社のpoint規則も確認します。過去に示された値幅が今のボラティリティを保証するわけではありません。

True Rangeはmax(H−L, |H−前の終値|, |L−前の終値|)。方向ではなく値幅です。初期化後のWilder型14期間更新は(13×前のATR+今回TR)/14。TradingViewの初期設定はRMAですが、平滑化の方式を変更できます。単純平均と別方式は異なることがあり、毎回必ず違うという意味でもありません。期間、平滑化、データ源を明記します。

Chandelier Exitと片方向の記憶

TradingViewはChandelier ExitをCharles Le Beauの考案として紹介しています。指定期間の極値とATR倍率を使う指標規則で、業者の約定保証でも優れた決済の証明でもありません。極値の参照期間、ATR期間、前のストップを残す規則は別々に定義します。

参照する設定例極値22本、ATR(22)、倍率3
買い候補直近22本の最高値−3×ATR(22)
売り候補直近22本の最安値+3×ATR(22)
買いの片方向規則max(前のストップ, 新候補)

ローリング高値が下がる、またはATRが上がると、買いの生の候補線は下がり得ます。下げないストップには明示的なmax規則が必要です。広い距離が一つの押し目を耐える一方、別の経路では含み益を多く返すこともあります。

計算した時点の標準式が極値の3ATR下でも、実際の決済が取引中の最高価格からちょうど3ATRの返却とは限りません。ATRも参照極値も変わり、記憶規則やスリッページも加わるためです。

倍率を他の設定と一緒に比較する

倍率だけで結果を決めず、参照期間、ATR期間、開始、更新時刻と組み合わせて検査します。比較用の入力例は1.5〜2×ATR(14)、2×ATR(14)、期間を明記した3×ATR、4×ATR(20)、5×ATR(30)です。時間軸ごとの最適値や、完全にトレンドを捉える設定という意味ではありません。データ、執行、その他の規則を固定して比較します。

架空のEUR/USD時間足ATR(14)=18pipsなら2倍は36pips。別の日足例でATR(22)=80pipsなら3倍は240pipsです。最適な推奨値や通常のトレンド長の観測ではありません。18pipsの同じATRに3倍、4倍を使えば54、72pipsとなります。保有期間が長いから特定の倍率が最適になるとは限らず、費用と最大下落を含め、別の評価データでも比較します。

XAU/USDの架空のスイング取引

ここでは1ロット=100オンスの架空契約で、0.15ロット=15オンスとします。以下の価格はUSD/オンス。ATRは更新中ずっと9 USD、ストップは指定価格できっちり約定、費用・ギャップなしという仮定です。すべての金商品の契約仕様ではありません。

買いエントリー2,010 USD
H4のATR(14)9 USD
初期ストップ2,010−1.5×9=1,996.50 USD
開始条件1R=13.50 USD有利に進み2,023.50を超える
開始後の候補エントリー後の最高値−3×ATR
10営業日後の最高値2,080 USD
ピークの候補2,080−27=2,053 USD
仮定した決済2,053 USD、利益43 USD/オンス×15=645 USD

初期ストップと開始後のトレーリングは別です。買いで下げないため、前のストップと候補の大きい方を使います。開始時点の候補が初期ストップより下なら初期値を保ちます。ATRが9のままという仮定を変えれば候補も変わります。

別の明示的な架空経路では、固定15 USDのトレーリングが高値2,035の後に2,020で受理済みとします。2,020の正確な約定なら10 USD/オンス×15=150 USDで、先のATR経路の645との差は495 USDです。二つの指定経路と注文規則に条件付きの比較で、ATRが固定距離を一般に上回る証明ではありません。

SARと確認済みスイングという代案

Parabolic SARは前回値、価格の極値、加速係数から水準を更新し、交差後に側を変える規則です。出口の参考にはできますが、設定と反転条件を定義し、受理された注文へ変換する必要があります。天井付近の点が、実際のポジションもそこで決済できた証拠ではありません。ATRより優れるという一般則もありません。

構造に基づく方式なら、買いは確認済みスイング安値の下、売りは確認済み高値の上を基準にできます。確認できる時刻と余白を定義しないと、後から判明する極値を先に使うテストになります。スイングとATRを組み合わせることも別の検証対象で、普遍的な最低1.5倍という規則ではありません。

売りでは記憶する規則も反転する

高値を安値へ変えるだけでは足りません。架空の売りで初期ストップ105、最安値100、ATR1なら候補100+3×1=103。次に最安値99、ATR2なら候補99+3×2=105です。売りを不利な方向へ戻さない規則はmin(前のストップ,候補)なので、103を保持します。買い用maxなら105へ戻して別の規則になります。

横にスクロールすると図全体を確認できます。

売りでは記憶する規則も反転する売りの初期ストップ105。最安値100・ATR1から候補103へ切り下げる。次に最安値99・ATR2なら候補105でも、min(103,105)で103を保持。赤紫はストップ、緑は最安値、破線は候補。売り:最安値+3×ATR次のストップ=min(前回,候補)98100103105開始更新1更新2ストップ:105→103→103最安値100→99、ATR1→2新候補:99+3×2=105min規則では103を保持。
売りの初期ストップ105。最安値100・ATR1から候補103へ切り下げる。次に最安値99・ATR2なら候補105でも、min(103,105)で103を保持。赤紫はストップ、緑は最安値、破線は候補。

ATR1と2は入力値で、図の二つの最安値から計算したものではありません。各段階の情報が揃ってから更新し、ポジションは開いたまま、変更ストップは現在値より上と仮定しています。全価格経路、スプレッド、費用、変更の拒否は表していません。倍率3も実験入力です。ATR候補は約定価格の保証ではありません。

実装で確認したい誤り

  • 変更理由を記録せず途中で近づける。手動変更は検証した規則を変えますが、どちらが良い結果かは経路次第です。
  • 開始条件が未定義。開始直後も、エントリーから開始する設計もあり得ます。買い候補は高値の下であり、上ではありません。
  • 倍率を全商品に最適とみなす。ATRで尺度を揃えても成績は商品・時間足で変わり、費用込みで比較が必要です。
  • 開始前の保護を決めない。未開始のトレールは初期保護の代わりにはならず、端末・サーバー・独自プログラムのどこで更新するか確認します。
  • ギャップを無視する。通常のストップは水準を越えた価格で約定し得ます。保証付き注文がある場合も契約条件を確認し、ATRの線だけで約定保証があるとはしません。

追加の比較:計算した2058と、受理された2053を分ける

先の金と同じ15オンス、買い2010、以前に受理されたストップ2053を使う別の紙上例です。新しいATR候補2058を計算して変更要求を送っても、仮に拒否されたなら、受理済み水準は2053のままです。もう一方の分岐では2058への変更が受理されたとします。その後に下落し、各水準で正確に決済できると仮定すると、前者の利益645 USD、後者720 USDで差は75 USDです。

拒否の理由や発生率を測った例ではなく、同じ候補でも注文状態が違う反例です。実装では計算候補、送信要求、応答、受理済み水準を別に記録し、送信しただけで保護水準を更新済みにしません。どちらの枝でも実際の約定価格を保証するものではありません。日本の円口座で損益表示するなら、さらにUSD→JPYの換算時点と方法を別に確認します。

機械的な規則も監督を必要とする

データが利用可能、候補を計算、変更を送信、水準が受理されたという四つの時点を記録します。実装と上書きが定義されて初めて裁量の範囲が明確になりますが、それ自体は行動面や収益面の利益の証明ではありません。取引ごとに版、手動変更、費用、拒否を残して比較します。固定規則も過剰適合し得ますし、変更規則も正確に記録すれば評価可能です。一定の取引回数だけで正しさを証明しません。

同じ候補2058でも、変更の受理で水準は異なる

同じ候補2058でも、変更の受理で水準は異なる架空の金15オンス、買い2010、受理済みストップ2053。各水準で正確に決済する費用なしの分岐。仮定に基づく計算変更要求が拒否保持2053/利益645 USD2058への変更が受理保持2058/利益720 USD
同じ候補2058でも、変更の受理で水準は異なる. 架空の金15オンス、買い2010、受理済みストップ2053。各水準で正確に決済する費用なしの分岐。

計算候補ではなく、受理済み水準を記録する。75USDの差は指定した分岐の算数で、拒否率や一般的な成績ではない。

小さな画面では横にスクロールするか、図を拡大できます。数値と要点は下のテキストにも記載しています。

変更要求が拒否
保持2053/利益645 USD – 送信した候補2058は保護水準にならない。
2058への変更が受理
保持2058/利益720 USD – 後の正確なストップ約定を仮定。

次に行う作業

  1. デモで標準ポイント式と独自ATR式を区別します。指標の線が注文を自動送信するか、どこで更新され、オフラインではどうなるかを確認します。
  2. 時間足、ATR平滑化、倍率、価格基準、開始、買いmax・売りminの記憶規則をカードに書きます。倍率は検証入力です。
  3. ストップにならなかった取引も含む標本で距離、ATR、エントリー、結果を記録します。損切りになった10件だけで将来最低2.5倍が必要とは結論しません。
  4. ストップ距離を広げるなら数量も再計算します。異なる損切り距離の数量計算へ進みます。